あわびの特徴
巻貝の一種のあわびは、クロ、マダカ、エゾ、メガイ、トコブシの5種類に分類されます。各あわびは生存する地域や環境により異なります。
殻の内側から層が付加されて厚くなり、あわびの表側では年輪を測ることで何年に渡り生存してきたのかを確認することができます。殻の大きさは長径5cm~20cm、短径3cm~17cmの楕円形になります。
種類により形や大きさは異りますが、皿状の殻をもつ点では共通します。この大きな殻で難敵から身を守ることができます。その難敵の中でも真蛸があわびの天敵になります。真蛸はあわびを餌としていますので食べられてしまいます。
あわびの名称は中国が起点となっており、漢方薬としても知られる縁起ものでもあります。歴史上では中国の始皇帝が目を明るくする、または健康の為に食しており「石決明」と命名したとされています。
あわびは夜行性で夜に行動し、日中は砂の中に潜り隠れ潜んだり、岩の間に身を潜めて安静にしています。
あわびの殻の背面に数個の穴が並んでいます。この穴は鰓呼吸のために外套腔に吸い込んだ水や排泄物や不純物、卵や精子を放出するための穴であり、殻が成長するにあたり古い穴からふさがり、常に一定の範囲の数の穴が開いている仕組みになっています。
あわびではこの穴が4 - 5個なのに対し、トコブシでは6~8個の穴が開いています。また、あわびでは穴の周囲がめくれ上がっており穴の直径も大きいのに対し、トコブシでは穴の周囲はめくれず、それほど大きくは開きません。
帆立でおなじみの様にあわびからも鮑玉といい、天然真珠がとれるそうです。球体のようなまん丸のものは少なく色は虹色をしているそうです。
◇あわびを使用した商品 ◇とこぶしを使用した商品
あわび姿煮 あわびご飯の素 とこぶし
種類について
軟体動物門腹足綱ミミガイ科に属する巻き貝であり、食用になる大型種の総称で、三重県ではクロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの3種が水揚げされ、北日本ではエゾアワビが生息します。海外に生息するロコガイ、ラパス貝は食感は似ているが、分類科はあわびとは違った種類になります。
オスとメスの見分け方
オスとメスの見分け方については、身の色で判断することはできません。帆立などの貝も一緒ですが肝の色で判断しなければなりません。オスは茶色系、メスは緑系になります。オスとメスにより味の違いはありません。
育つ環境
鮑は潮の流れに流されないように力強く岩にはりつこうとし、身が引き締まり旨みが凝縮されます。
水深20m程の岩礁に生息し、アラメ、ワカメ、コンブなどの褐藻類を食べており、私たちが食するにあたるに1年間で約1cm程しか成長しないことにより7年から8年かかることになります。
また三重県では昔から知られている漁があります。鳥羽・志摩地方を中心にリアス式海岸は岩礁域が広がる鮑の生態系においては好条件となっております。そこで素潜りによる海女漁業が行われています。
栄養素
あわびにはタウリンが豊富に含まれており、貝類の中でも1番タウリンの量が含まれるので妊娠中の母親があわびを食べることで胎児の網膜形成や乳児の発育にも欠かせない存在です。日本でも昔からの風習として妊娠中の母親にあわびを食べるようにしている県もあります。
また、老化防止と共に老眼、近視、夜盲症などに効果があると言われており、歴史的には武田信玄などの武将達の栄養源になったそうです。
ミネラル豊富なわかめや昆布などの海藻を餌に育てられ、品質のいい鮑が育ち、干物にするとカルシウムが4倍くらい増加します。疲労回復、動脈硬化、高血圧、精力増強、視力低下の予防などに活躍すると考えられ、特に肝は海藻の栄養分が豊富に含まれているので薬用に効果があるといわれています。
収穫時期
あわびの漁穫できる時期は限られています。漁穫は9月15日~12月31日までの間は産卵期の保護により禁漁とされています。
蛸やヒトデなどの生命体により、鮑が減少してしまう可能性もあるので対策を行い収穫時期に収穫するようにしています。